
北尾吉孝氏の発言が注目された理由
今回話題になったのは、SBIホールディングスを率いる北尾吉孝氏が、XRPについて非常に前向きな見方を示したことです。報道ベースでは、北尾氏はXRPが将来的に「非常に高価になるだろう」との趣旨を語り、さらに裁判や規制面の不透明感が晴れれば、価格面で大きな動きにつながる可能性にも言及したとされています。
“XRP WILL BE VERY EXPENSIVE.”
No, this is not just David Schwartz’s confession. This was also said by the biggest financial giant of Japan, Yoshitaka Kitao, SBI Holdings CEO.
SBI is Ripple’s largest external shareholder.
And he says clearly: “XRP will be very expensive.”… pic.twitter.com/mixB533ymR— Stellar Rippler🚀 (@Stellar_Rippler) April 3, 2026
この発言が重く受け止められるのは、北尾氏が単なる外部評論家ではないからです。SBIグループは長年にわたりRippleと深く連携してきた日本の代表的な金融グループであり、XRPをめぐる事業実装にも直接関わってきました。つまり、今回の言葉は“外から見た期待”ではなく、“中長期で関与してきた側の見立て”として市場に受け取られやすいのです。
SBIとRippleの関係は一時的な提携ではない
SBIグループとRippleの関係は、かなり以前から続いています。SBIはRippleに2016年から出資しており、現在も外部筆頭株主として約9%の株式を保有していると公式資料で説明しています。さらに両社は合弁会社SBI Ripple Asiaを通じて、日本およびアジアでブロックチェーン技術を活用した決済基盤の提供を進めてきました。
ここで重要なのは、XRPへの期待が単なる“値上がり期待”ではなく、送金や決済インフラの文脈と結びついている点です。SBI Remitは、Rippleの技術を活用して日本からタイへの即時送金を実現しており、実際の送金ユースケースがすでに動いています。暗号資産の中には期待先行で終わるものも少なくありませんが、XRPは少なくともSBIグループの中で、実用の文脈と結びつけて語られてきた歴史があります。
なぜSBIはXRPに強気なのか
北尾氏の強気な見方の背景には、いくつかの材料があります。
- Rippleとの資本関係が深い
SBIはRippleの外部筆頭株主であり、XRPや関連事業の拡大はグループ全体の戦略とも関係します。 - 日本での実装余地を見ている
送金、トークン化、ステーブルコイン、Web3支援など、SBIはデジタルアセット分野を広く育てています。 - 規制整備が価値評価を変える可能性
法的位置づけが明確になるほど、機関投資家や事業会社が参加しやすくなります。
実際、SBIは2026年2月、同社初のST社債「SBI START債」の購入特典としてXRPを付与する方針を公表しました。大手金融グループがXRPを販促・顧客還元の設計に組み込むのは、象徴的な動きです。また、SBIグループとRippleは2025年、RLUSDの日本での流通に向けた基本合意書も締結しており、協業はむしろ広がっています。
XRPが“高価になる”とはどういう意味か
ただし、「高価になる」という言葉をそのまま価格予言として受け取るのは早計です。XRP価格は市場全体の地合い、規制、投資家心理、需給、そしてRipple関連ニュースの影響を受けます。したがって、北尾氏の発言を読むときは、短期の急騰断言ではなく、長期的に評価が見直される余地として理解するのが自然です。
特にXRPは、送金のブリッジ資産、XRPL上のエコシステム拡大、ステーブルコインやトークン化との接点など、単なる“コイン単体”では測れない要素を持っています。Rippleは2024年に日本・韓国でXRPLのイノベーションを支援する基金を立ち上げ、企業提携や開発者支援、スタートアップ投資を進める方針を示しました。こうした基盤整備が広がれば、XRPは投機対象だけでなく、ネットワーク価値の一部として再評価されやすくなります。
強気材料と同時に注意したい点
もちろん、強気材料だけで一直線に価格が上がるわけではありません。XRPには依然として大きな価格変動リスクがありますし、規制の見通しがずれれば期待先行で失望売りが出ることもあります。さらに、送金分野での実需拡大がどの程度価格に反映されるかは、今後も議論が続くテーマです。
また、SBIがRipple株を持つことと、XRPそのものの価格が必ずしも同じ方向に動くことは別問題です。企業価値とトークン価格は連動しそうでいて、実際には異なる要因で動く場面もあります。そのため、今回の発言はXRPにとって好材料の一つではあっても、万能の上昇保証ではありません。
まとめ
北尾吉孝氏の「XRPは非常に高価になるだろう」という見方は、単なる煽り文句というより、SBIとRippleが積み上げてきた関係、日本での実装、そして今後の制度整備を踏まえた強気シナリオとして読むべき発言です。
重要なのは、XRPが“夢だけの銘柄”として語られているのではなく、送金、トークン化、XRPL開発支援、RLUSD展開といった具体的な流れの中で期待されている点です。今後、規制の明確化と実需の拡大が進めば、北尾氏の発言は単なる強気コメントではなく、先回りした見立てとして再評価される可能性があります。反対に、それらが進まなければ、期待はしばらく材料止まりにとどまるでしょう。XRPを見るうえでは、価格だけでなく、その背後で何が整備されているのかを追う視点がますます重要になっています。
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言を行うものではありません。
暗号資産は価格変動リスクが高く、制度変更の内容も今後変わる可能性があります。
投資判断は必ずご自身で行ってください。